村上虹郎「俳優として新たなステージに立てる」 舞台『密やかな結晶』キャストインタビュー

2018年2月より東京芸術劇場 プレイハウス(東京都豊島区)にて公演される舞台『密やかな結晶』。4年ぶりに舞台出演を果たす女優の石原さとみを始め、数多くの豪華キャストが出演。すでに大きな話題を呼んでいる。そこでT-FAN SITEは、本作品で主人公を見守り続ける“おじいさん”役を務める、新進気鋭の若手俳優・村上虹郎にインタビューを敢行した。これまでの役柄とはまったく違う雰囲気の人物を演じる村上は、期待や不安を抱えつつも、今回の役を通じて俳優としてさらにステップアップしていく自分を見据えている。いまの彼の率直な気持ちを聞いてみた。
俳優として日々「何をしているか」「何を考えているが」が大事
 
――村上さんは近年、映画やドラマ、CM、舞台などと幅広く活動されるようになり、俳優としての知名度が着実に高まってきていると思います。現状をどのように認識していますか。
 
村上虹郎(以下村上) どの分野においても、大変ありがたいことに作品との出合いに恵まれていると実感しています。とくに舞台は今回で4作目になりますが、これまで作家性が高い作品に出演させていただきました。映像では学生役が多いですが、やはりドラマに出演させていただいている最中は、「少しずつ顔を覚えてもらえているな」と感じることがありますね。
 
――演じる上で、どの分野でも共通して持っている意識などはありますか。
 
村上 もちろん分野によって観る人のタイプは違うと思うので、意識は毎回変わります。とくに舞台は、いつも初めての気持ちで緊張もしています。ですが、基本的に俳優は、自分が持っている声や顔、体一つで勝負をするので、特定の分野に限らず俳優として「日々何をしているか」「日々何を思っているか」はとても大事だと思っています。とはいえお芝居ですので、もしかしたら何も考えていなくてもできるかもしれないですが、日頃から何か考えているからこそ面白い演技ができるということもあります。お芝居というのはとても変幻自在な世界だと思います(笑)。
 
ファンタジーの要素もありながら、“普遍性”も帯びている作品
 
――村上さんが考える『密やかな結晶』の見所を伺いたいです。
 
村上 この作品は、「色々なものが唐突に消え、人の記憶からも消えていく」という島で生きる者たちのお話なのですが、風化・消滅していくという得体の知れない怖さがあります。例えば物語では、「鳥」が島から消えて皆が「鳥」という存在自体も忘れてしまう。それは鳥が好きな人にとっては悲しいけれど、鳥に執着がなければ「別に悲しくない」という人もいると思います。
そして、人は皆、何かを覚えては忘れて、何かを得て何かを捨てていく、ということを繰り返す生き物なので、物語中の風化や消滅というのは比喩とも捉えられると思うんです。そういう意味では、ファンタジーの要素もありながらある種の“普遍性”も帯びている作品ではないでしょうか。そこをぜひ感じ取ってほしいですね。
 
――村上さんはこれまでの人生において、「忘れてしまいたい過去」と「絶対に忘れたくない思い出」などはありますか。
 
村上 忘れてしまいたい過去はもう忘れていますね(笑)。僕は写真が趣味で常にカメラを持ち歩いているのですが、撮った写真は消えてしまわないように、パソコン内だけでなくハードディスクにもすべて保存しています。夕日や自然、人など、写真でしか切り取れない“いま”という瞬間を大事にしたいので。視覚的である写真は、記憶の保持としては一番分かりやすいと思いますね。

かっこいい歳の取り方をしている“おじいさん”を演じたい

 

 
――今回演じるおじいさん役は、20歳前後の容姿を保ったままの老人という不思議な人物ですが、現在20歳(17年12月時点)の村上さんがこの役を演じるにあたり、どのようなことを心がけていますか。
 
村上 これまで出演した舞台『書を捨てよ町へ出よう』『シブヤから遠く離れて』『エレクトラ(りゅーとぴあプロデュース)』では青年と大人の間というか、若いエネルギーが強くて自分をどんどん主張していく役柄だったのですが、今回は真逆ですね(笑)。この作品のおじいさんは、単純に知識量や見てきたものの数が他の登場人物と違いますし、世界を達観しているというか、他人の助けや救いを期待しないような、若者にはない「冷静さ」が求められると思っています。ただ、他人に何かを期待しないのは“諦める”という感情とは違い、“執着心”がないというニュアンスに近いと思います。執着心があった方が人間らしいですが、(執着心が)無い方がかっこいい歳の取り方をしているというか、そういうイメージを持って役に臨もうと思います。
20歳になって、これまでとはまったく違うステージに立てた気持ちです。もちろん、いましかできない役柄もありますが、数カ月前の自分の演技を観るとすごく未熟に感じることが多かったので、今回この役を頂いたことはとても良い機会だと捉えています。
 
――20歳前後は、さまざまなことを吸収できる多感な時期だと思いますが、村上さんがいま一番興味を持っていることは何ですか。
 
村上 ズバリ、料理の出汁です(笑)。友人が結婚しまして・・・そこで料理本をプレゼントしたのですが、自分用にも購入して読んでみると、出汁で作れるものってたくさんあることに気付いて。最近、お気に入りのラーメンどんぶりを買ったので、ラーメンを出汁から作ってみようと思っています。

俳優として、色んなことを吸収して人間力を高めていきたい

 
――これから俳優としてさらに高みをめざしてステップアップされていくと思いますが、そのためには何が必要だと感じていますか。
 
村上 一番は人間力だと思っています。俳優として高みをめざすことももちろん大切ですが、それと同時に色んなことを吸収して賢くなって、人間力を高めていきたいです。具体的にはユーモラスと豊かさを身につけたいです。人間として面白い人は、俳優としても面白いはずだと思うんです。
 
――最後に、公演を楽しみにしているファンにメッセージを。
 
村上 “消滅”が起こるという不思議な設定ですが、ただのファンタジーではなく、とても身近な話に置き換えられると思いますし、私たちがいま生きている世界のことを深く考えさせるテーマが詰まっています。石原さとみさんや鈴木浩介さんなど、とても魅力的な方々と共演させていただくので、絶対に面白くなります。ぜひ、劇場に足を運んでいただければ嬉しいです。
 
(取材・文・写真/T-FAN SITE岩瀬駿斗)
 
<『密やかな結晶』Tチケット販売概要>
【公演名】
密やかな結晶
【会場】
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都豊島区)
【日程】

 
【チケット料金】
S席 9,000円(税込)
★Tポイント5ポイント+ボーナスポイント1,000pt/枚が貯まる!
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購入・詳細は下記をご確認ください
http://fan.tsite.jp/ticket/180325MAR

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