「国や文化、世代を超えて楽しめる作品になる」 ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』主演ビリー・タイ インタビュー

ブロードウェイミュージカルの新作『ファインディング・ネバーランド』が9月8日(金)から24日(日)の期間、東急シアターオーブ(東京都渋谷区)で公演される。7月5日(水)に開催された本作品の製作発表記者会見のために来日した主演のビリー・タイが、このほどT-FAN SITEのインタビューに応じた。タイは、「主人公の思いを理解し、オーディエンスに感動を届ける」という意気込みのほか、役を通じて「自分自身について振り返る機会にもなっている」と心境を語ってくれた。

※製作発表記者会見の模様は こちらから


ビリー・タイ


■「主人公バリの人生や感情を、きちんと伝えることが肝要だと感じている」

 

――今回は初来日とのことですが、日本の印象はいかがですか。

東京はみんな忙しそうにしていて、とても混み合っている。しかし、街並みはすごくきれいで整然としており、人々がちゃんと互いを敬っているような雰囲気がある。私もニューヨークにいたので大都会には慣れているつもりだが、ニューヨークにいる人たちは(あくまで個人的な視点だが)少しセルフィッシュ(自分勝手)な感じがする。そう思えるということは、私は周りの人と比べてセルフィッシュな人間ではないということかな(笑)。

 

――今回、『ファインディング・ネバーランド』の主演に抜擢されたときのお気持ちを聞かせてください。

本作品の演出を務めるダイアン・パウルスは、私が過去に出演した『ピピン』という作品でも演出を担当しており、今回の主演がオーディションの対象になったと聞いて「ぜひ受けたい」と思った。とても良い役であることは知っていたが、私が主演に選ばれたとき、別の役者が演じている『ファインディング・ネバーランド』を観て、「思っていたよりも大変な役だ」「役自体にとても責任感がある」と感じた。

 

――「責任」とは具体的に何ですか。

これは本当に心の問題なのだが、本作品では、自分がいかに主人公バリの人生や感情をオーディエンスに伝えられるかが肝要だと感じている。私自身がバリのことを理解して、彼の気持ちを正直に伝えて、本音で語らないといけない。バリになりきって、オーディエンスにその感動を伝えることが私の責任だ。


■「人と人とのつながりが、この作品の大切なメッセージ」

――作品全体を通して、一番の見どころは何だと考えますか。

人と人とのつながりが大切に描かれている点だ。私たちは人生のさまざまな局面において、人との別れや大切な人の死といった喪失を経験したり、人生の壁にぶつかったりなど、自分自身どうしたら良いか分からない場面がある。しかし、そのとき人に助けられて私たちは前へ進める。そして、今度は自分が誰かを助けることもできる。そういった人と人とのつながりが、この作品の非常に大切なメッセージではないかと思う。

 

――この作品は、仕事が行き詰って落ち込んでいた主人公の劇作家バリが、自ら心を閉ざしていた少年ピーターの心を取り戻そうとするうちに、バリ自身の中にあった少年の心を思い出すというストーリーです。タイさん自身はこの役を通じて、例えば「子供のころ大事にしていた気持ちを思い出した」など、変わったことはありますか。

今回の役は、ある意味「鏡を見ているような体験」をすることがある。子供たちに「こうあってほしい」と思い、彼らに純粋な気持ちを思い出させようと演技することは、自分にとっても「どうしてこの仕事をやりたかったのか」ということを思い出すきっかけになっているからだ。
私は高校生のとき、学校で初めてミュージカルを観た。友人が舞台に立っていて、そこにいる友人は私がよく知っている人物のはずなのに、舞台の上にいる彼はまったく違う人のように見えた。舞台や演劇というのは、「自分が違う誰かを演じることができる」ものであり、そこに大きな面白さを感じた。「舞台に立ちたい」という思い、そして舞台というものの楽しみが、この仕事を選んだ大きな理由だった。そのことを、本作品では思い出させてくれる。
このキャリアを始めて、ありがたいことに自分は役者として成功していると感じている。しかし、その成功というものが単純に、「キャリアを積み重ねる」「すごいと言われることをする」だけに意味があるのではない。そのようなことも、改めて自分に言い聞かせる機会になっている。


■「UKポップは、主人公の頭の中を表現するのにとてもフィットしている」

――歌唱力に定評があり、交響楽団とも歌のソリストとして共演されているタイさんから見た、今回の『ファインディング・ネバーランド』の楽曲の魅力は何ですか。

音楽は英国の人気ポップスグループ「テイク・ザット」のメンバーであるゲイリー・バーロウが手掛けていることもあり、曲調はUKポップだ。ただすごく面白いのが、物語の世界は1900年代前後でありながら、その時代に存在しなかったUKポップが演奏されること。実は主人公バリは、当時の時代からすると非常にラディカルで先鋭的なことを考えていたため、一見物語の時代にそぐわないUKポップは、彼の頭の中にあった何かを表現するにはとてもフィットしているのではないかと感じている。

 

――製作発表記者会見でも歌唱されていた「ネバーランド」「ストロンガー」には、どのような気持ちが込められていますか。

この2曲はどちらも一幕で披露されるが、歌うときの心境は対照的だ。
「ネバーランド」は、いままで人に言えなかったバリの気持ちを、初めて未亡人シルビアに告白する歌だ。彼は兄を亡くしているのだが、兄に会えるという心の中の世界が彼にはあり、それを「ネバーランド」と歌っている。大人しい曲だが、とても気持ちが表明されている。
「ストロンガー」は一幕の最後の曲だ。バリはいままで得ていた名声や信頼を失いかけ、これからも先に進むべきか、それとも、元々いた世界に戻って安定を得るべきか、どちらの道を選ぶかという岐路に立つ場面で歌われる。『ピーターパン』のフック船長が歌の中に出てきて、「ストロンガーに(より強く)なる勇気を持て」と諭すのだ。

 

――最後に、日本のファンへ向けてメッセージを。

『ピーターパン』は日本でも馴染み深い作品であるが、この『ファインディング・ネバーランド』は子供も楽しめるし、また大人は、子供のころに感じていたことを思い出させてくれる。あらゆる世代が楽しめるショーになっていると思う。実際に、客席からは「良い年の大人が泣いた」という反響も聞くため、さまざまな国や文化、世代を超えて楽しめる作品であると確信している。

 

●衣装協力
・T-MICHAEL(問:UNIT&GUEST 03-5725-1161)
・DR.DENIM(問:株式会社THE SENSES 03-5579-2595)
・MIKIA(問:Tide PR 03-5771-5995)

●スタイリスト
NAOKI YAMADA(TOKYO)

 

■『ファインディング・ネバーランド』とは?

ジョニー・デップ主演の映画を舞台化 どの世代でも楽しめる人気作

2004年に公開されたジョニー・デップ主演の映画『ネバーランド』を舞台化したもの。『ネバーランド』は、名作ファンタジー『ピーターパン』の作者であるJ.M.バリの「『ピーターパン』誕生秘話」を実話に基づいて描いたドラマであり、アカデミー賞7部門にノミネート・作曲賞を受賞している。
『ファインディング・ネバーランド』は、トニー賞受賞演出家であるダイアン・パウルスによる想像力掻き立てる演出、英国の人気ポップスグループ「テイク・ザット」のメンバーであるゲイリー・バーロウ作曲の心を虜にする楽曲、ほのぼのとした笑いと、愛の物語が詰め込まれた、どの世代でも楽しめるというブロードウェイの人気作。9月8日(金)~24日(日)に初来日公演が行われる。


■Tチケット購入でサイン色紙が当たる!!詳細はこちら

『ファインディング・ネバーランド』のTチケット販売およびプレゼント詳細はこちら

(取材・文・写真/T-FAN SITE 岩瀬駿斗)

記事をシェアしよう

  • Twitter
  • Facebook
  • google+
  • LINE